和の人前式の演出のひとつに、貝合わせの儀がございます。
一対の蛤(はまぐり)の貝殻を新郎新婦様にお持ちいただき
それをぴったりと重ね合わせる儀式です。
貝合わせの儀はもともと儀式ではなく、
「貝あわせ」という遊びで
貝そのものの美しさを競っていました。
平安時代の後期になりますと、
花や鳥の絵を描いた貝をばらばらに置き、
そのなかから神経衰弱のように
一対を選ぶ遊びが行われました。
美しさを競ったり、一対を選んだりする遊びから儀式へと
かわっていったのは江戸時代以降だといわれています。
蛤の貝殻の一対は他の蛤の貝殻と合うことがありません。
そのことから夫婦が添い遂げる縁起物として
最も重要な意味をもつ婚礼調度になりました。
貝合わせの儀は、人前式で誓いの言葉を述べるときに行います。
二人がより強い絆で結ばれる素敵なセレモニーになるでしょう。